【振付と即興の違い】

振付する時って、即興と違い、その曲の持つ世界観を「翻訳」する感覚だと学んできた。

ヨーロッパでは、曲の翻訳家って言い方もするし

舞台に立つ同じ人間として、俳優と同じポジション

つまり、

表現力がどれだけ大事なことか。

この表現力をちっとも勉強しないし

興味も示さない人が本当に多いよね、日本は。

ヨーロッパでは、

その曲の持つ世界観を翻訳するのがダンサーの仕事だと学んできた。

【即興・バトル・セッション】

ここで混同してしまってはいけないのが

振付と即興の違い

もちろん、即興でも翻訳できたに越したことないけど、

即興、バトルやセッションの楽しさって、

自由

自分のインスピレーションや

感じているもの、こと、音、「今この瞬間」を物語るもの

観客や相手との対話

会場の空気感

ありとあらゆるものを材料にして踊れる「瞬間」がある

しかも45秒とか1分の中で踊るわけだから、

本当にその瞬間だよね。

こういう、

好きに踊ればいいんだねっていう世界は面白い。

ところが、

日本には、バトルで、

歌詞の意味やタイトルの意味を理解し

審査員・ジャッジの思想や好み、世界観に近づけ、踊らなくてはいけないと考えている人がいることを知った。

つまり、どれだけ曲を知っているかが重要

もちろん重要、私も、フランスではBruceにジャンルを越えて色んな曲を聴くよう指導されてきました。

だけど・・・ここでいう、色んな曲を知っておかないといけないっていうのは、

自分のダンスを認めてもらうために、しかもジャッジに媚びるようにして・・・??に感じてしまう。

審査員のために踊るとかは、当然自分の未来をなくしてゆく結果が待っているし、

歌詞の意味やタイトルを理解して踊るとかはもちろん大事なことだけど、それは振付においてはとても重要であって・・

即興、バトルではそこまで重要ではないはず。

いい意味で、先輩たちが踊ってきた歴史を継承しようと、その当時の雰囲気を出そうと意識しているのでしょうけれど。

自分のために踊ってるんじゃないの?

そもそも、ミュージカリティってのは、初めての曲、知らない曲でも

音楽を心と身体で感じて二重世界を表現をするもの。

即興の場合には、

歌詞の意味やタイトルの理解をそこまで

理解し、強調しなくてもOKな自由さが面白いわけで。

じゃあ今度は逆に

【振付】の時

ある日、タイトルの意味や歌詞の意味を理解して踊ることを私が提案すると、

日本人のA君たちは、「そんなの誰にもわからないし、伝わるわけないじゃん」

だって。

びっくり!!!

え〜、日本ってやっぱこんな感じなんだ〜って逆に勉強になる、日本のカルチャーの現状。

音楽を解釈するのが振付、というヨーロッパ、アフリカの感覚からすると、本当、この違いにびっくりしちゃったよ。

歌詞の意味やタイトルを理解する、曲の世界観を創造する、感じる、心を動かす、心にどう響く??って。

それが創造の元となって、振付や表現や構成、ストーリーが浮かんだりするんじゃないの?

観客は、その曲の持つ意味がわからなくても

私たちのダンスを見て理解するものでしょ。

観客は、何かをダンスから感じて、考えさせられるな〜とか・・ってじ〜んとくるものでしょ??

ダンスはメッセージじゃないの?

コミュニケーションが目的だよ。対話、対話!!!!!

教育学がない日本のダンスシーンはこれからどうなるのだろうか・・・。

自分のことは棚に上げて言います。未熟ですが言います。

ほとんどの方達が

自分はいいダンサーだと思っていて

知識もあると思っていて

音も聴けてると思っている

日本人はみんな同じような動き、大きく踊ってカマそうって思ってる人ばっかり。ダンスの本質分かってないじゃん。

な〜んにも知らないじゃん〜、ってChicoが言うように

私も、自分はそうだったんだな〜と思う、今日この頃です。

フランス人の視点です。🔻

日本人はスタイルを尊重します。

日本人は古いスタイルを尊重します。

これで理解できるのが、日本人は、

=無意識で変化を嫌う、変化を恐れている

=コンフォートゾーンを抜け出せない

新しいチャレンジをしない

もちろん、尊重することは大事、

この部分は逆にフランス人に学んで欲しいところですし、フランス人はそういう部分は

日本から学ぼうと言っています。

歴史をそのまま継承するというのは、進化や発展が生まれない。

繁栄しないということです、豊かになれないということ。

今の私たちに必要なのは、

継承してきたことを、破壊することです。

破壊して、残すべき部分を継承し、進化するためにコンフォートゾーンを抜けることです。

新しいチャレンジをするということなんです。

個性やオリジナリティがない、ミュージカリティがない、自己肯定感が低い、これらの原因がここに全部詰まっています。

歴史は30年で古くなります。廃れます。

だから、もう古いんです。

新しくしていかないと。クリエイティブしてゆかないと。

進化です。

ダンスの本質、Keiko舞やChico:FEECC’AAL MAAの価値観が

まさにNelson:ネルソンの考え方です。

フランスで4年間お世話になったNelson

2025年10月13日

🔻日本語訳

僕にとってのHipHopとは、「進化を受け入れないなら、もうヒップホップアーティストじゃない。」

「それは“進化”というより、“ヒップホップ”そのものなんだ。

なぜならヒップホップとは、定義そのものが“進化”だから。

実際、家の中でもいつも音楽が流れていて、いつも誰かが来ていた。

パーティーもよくあった。

そして実際に旅をして気づいたんだ。

僕らが閉じ込められている“牢獄”って、

自分たちの頭の中で作り出しているものなんだって。

──ジャン=クリストフ・デュカリ

Jean-Christophe Ducari.

もちろんそうだよ。

それに、ゴレ島にもすごく心を動かされた。

(※ゴレ島=奴隷貿易の歴史的な地、セネガル)

ある程度プロとして活動するようになると、

“楽しむこと”を保つのが難しくなる。ときには“踊らなきゃいけないから踊る”

っていう瞬間もある。

自分はバトルのおかげでキャリアの一部を築くことができたけれど、

それを“キャリア”として考えたことは一度もなかった。

たとえば、バトルでは滅多に見かけない

West GangのJeff。

彼は、フランスで最も熱いヒッパーの一人だと俺は思う。

そして俺にとって“最高のダンサー”っていうのは、

“最もテクニカルなダンサー”ではない。

それは、“最も本能的(inné=生まれ持った感性)に踊るダンサー”なんだ。

──マーヴィン・カペラ:Marvin Capela.

どんなことにも言えるけど、もし“進化”を受け入れないなら、

それはもうヒップホップじゃない。

なぜならヒップホップとは、定義そのものが“進化”だから。」

【まとめ】

「ヒップホップ=進化」

→ ヒップホップは常に変化・発展を続ける文化であり、

  固定化した時点で本質を失うという意味です。

 「牢獄を自分で作っている」

 → 心の制限や固定観念を指す比喩的表現。

  「ゴレ島」

 → 奴隷貿易の悲しい歴史を持つ場所で、

  アフリカとフランスの文化・人間の根源を感じる象徴的地。

「inné(生得的)」

 → “技術”よりも“感性”“自然さ”“本能”を重視する

  ヒップホップ哲学を表しています。

以上、今日はかなり批判を浴びるようなものの言い方をしてしまいましたが、

本当のことをお伝えしました〜

みなさんのダンスが進化、発展、そして繁栄しますように。